中外製薬が去年に引き続き「CHUGAI DIGITAL DAY 2021」を開催「ヘルスケア×デジタル」の未来とは

中外製薬は、イノベーションのヒントを探る機会を提供する1dayイベント「CHUGAI DIGITAL DAY 2021 ヘルスケアの未来を創るオンラインカンファレンス」を18日にオンライン開催した。

同イベントは今回が2回目の開催、ヘルスケアとデジタルの未来への可能性を見据え、イノベーションのヒントを探る機会を提供する目的で開催されている。中外製薬の他、各界のトップサイエンティスト、ビジネスリーダーを講師に迎え、「ヘルスケア×デジタル」の潮流の紹介や提案、新技術の公開をした。

先月末の衆議院選挙や、10月31日~12日までスコットランドのグラスゴーで行われた「COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会合)」などの関係で、メディアも気候変動や人権問題の課題に言及する識者や議員を取り上げる機会が増えた。そのことに関連し、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉もよく取り上げられるようになったが、同目標が環境問題、人権問題などに関わる17の目標達成への前提条件としている「誰も置き去りにしない」という考えを意識したテーマの発表もあった。

第2部の「Beyond the Human」では、「誰ひとり取り残さない未来へ、人の拡張で挑戦する」をテーマに、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の南澤孝太氏と、パナソニック株式会社・ロボティクス推進室室長の安藤健氏が登壇した。

南澤氏は、VRやARなどを利用し、自身の能力を拡張できる可能性について紹介した。これはロボットなどのアバター(分身)を使い通信を介し、自身の意のままに動かすというもので、体が不自由な人や高齢で動けない人などが、気軽に親戚の結婚式やイベント事に参加できるようにするのはもちろん、実際に自身のアバターを利用して就労も可能ということで、「寝たきりになってしまうような重度の障害を抱えていらっしゃる方が、こうしたアバターを使って働く、『分身ロボットカフェ』という活動も始まっています」と、実際に人間が操作するロボットが接客をしている店舗が、都内にあると紹介した。

技術革新が進み、自分の能力を最大限に、あるいは能力以上を発揮できる別のアバターができれば、それは体を複数持っているのと同じで、南澤氏は「サイバネティクスアバターを介した、デジタルを超えた、身体経験の共有によって近い将来お互いが助け合って、障害を乗り越えていく社会を目指します」と話し、企業や行政の協力を呼びかけた。

安藤氏は「人も社会もWell-being(ウェルビーイング)」をテーマにロボット工学の面から、可能性や革新技術を紹介した。

すぐに人の為に役立つ実用的な技術だけではなく、同社のコミュニケーションロボットカメラ「babypapa」を活用したコミュニケーション実験の話なども紹介し、「最終的にbabypapaは服を着て帰ってきてたんですよね(笑)。娘さんが気に入り『洋服を着せたい』ということになったそうです」と明かした。babypapaがきっかけで、親と子の会話が生れ、さらにコミュニケーションが活性化されたということで、「人と人、あるいは人それ以外の繋がりというのをどう作っていくのかというのが、ウェルビーイング(幸福)作ることにこれからすごく大事になっていくんじゃないかと思います」と語った。(斎藤雅道)