年金は期待できない?岸博幸氏、若い世代の資産運用の大切さ問う「自分の身は自分で守ろう」

慶應義塾大学大学院教授の岸博幸氏とじぶん銀行の代表取締役社長の臼井朋貴氏が26日、都内で「じぶん銀行が描く金融の未来」と題した対談を行った。

じぶん銀行は人工知能(AI)を活用した外貨貯金のサポートツール「AI外貨予測」のサービスを展開する。米ドル、ユーロ、豪ドル、ランド、NZドルの5通貨を対象にAIが外国為替相場を分析し、将来の為替相場変動を予測し、口座を持っているユーザーはスマートフォンを通じてこれらのサービスを気軽に受けることができる。

岸氏は「金融の世界はだんだん垣根がなくなってきている。金融のデジタル化が進み、従来の金融業者のやり方を変えざろうえなくなっている。この10年、20年でそのビジネスモデルも完全に変わっていくと思います。産業のメインプレイヤーもメガバンクや大証券会社とは全然違ったプレイヤーがメインになっていく。フィンテックというのは金融のデジタル化が始まったまさにその象徴。じぶん銀行はそのさきがけ的な存在」とじぶん銀行の取組についてコメント。

岸氏は今後のフィンテックの動向について「重視すべき分野はキャッシュレスとAI。世界ではキャッシュレスがどんどん進んでいる。AIを金融で活用することも多くなり、参入するベンチャー企業も増えている。金融のワンストップ化が進む中、じぶん銀行は10年前からそういうことをコツコツとやってきた。AIもまさに活用してフィンテックの最前線を行っている」と説明。臼井氏も「4月からはじめたauペイはまさにキャッシュレス。今は400万人以上のお客様にご利用いただいております。auウォレットもまさに2000万人くらいの人たちにお使いいただいている。キャッシュレスはもう当たり前。AIも『AI外貨予測』で活用している」とじぶん銀行の取組を改めてアピールした。

岸氏は「今の政府の政策だと若い世代は将来、年期などの水準は低下せざろうえない。そう考えると、若い世代も早いうちから資産運用をやったりして、自分の身は自分で守るということをやっていかないといけない。そういう観点から見て、AIは投資に対する高いハードルを下げてくれる効果がある」とAIを活用した金融サービスの良さについても持論を述べる。

一方で、AIを使っているとうたっていながら、実際は人海戦術でサービスを回していたりという、AIをうたった新手の詐欺も増えつつある。岸氏はこれに対しても「AIが伸びたからこそいかがわしい会社もたくさん出てきた」とコメント。「そういう会社を外部の人間が見分けるのは難しいけど、僕はだからこそ逆にその会社がAIを使ってやったことのパフォーマンス、これがどれくらい当たっているかを見るようにします。まともなところは必ずその数字を出すはずですから」と話す。

「本当はそういうことを監視する会社があるのが一番いいんでしょうけど、そういうところもまだ多くはない。いずれどこかの段階で政府が規制していくと思います。AIに関してどう活用しているかの情報の開示は必ずやらないといけないと僕も思っています。それが入るまでは情報をきちんと開示している会社のサービスを使うのが一番安全だと思います」とアドバイスを送っていた。

(取材・文:名鹿祥史)

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