平畠啓史がJリーグの魅力を伝える書籍出版!三浦知良は「どこで会ってもテレビで観ているカズさん」

“サッカー芸人”で知られる平畠啓史が5月23日、Jリーグの魅力を伝える最新刊「平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 -日本全国56人に会ってきた-」を出版した。日本全国にある56のクラブを周って、選手や監督のみならず、ライターやうどん屋、アナウンサーやミュージシャンほか、さまざまな業種にインタビュー。サッカーへの知識がゼロでも楽しめる力作に仕上げた。スポーツノンフィクション・ライターへの階段を上っている平畠に、書くことの極意を聞いた。(interview 伊藤雅奈子)

――本作は、18年に上梓された「平畠啓史Jリーグ54クラブ巡礼 -ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方-」の続編といえますが、サッカー初心者にも読みやすかったです。書く勉強はしたんですか?

まったくしてません。具体的な勉強はしたことがないです。「サッカーダイジェスト」っていう雑誌でコラムを書かせていただいてるんですけど、書くことは自分のなかでぜんぜん苦じゃなくて、どちらかといえば、好きな作業。性格的に、瞬発力というより、じっくり考えながらものを進めていくのが嫌いではないんです。

――気になったのは、取材力。対象者との絶妙な距離の取り方が、同業者として参考になりました。取材するにおいて心がけていることはありますか?

お話を聞くにあたって、まず最初に「感動的なお話はしなくても大丈夫です」って伝えておきました。この人だからこういうストーリーにしようとか、こういうオチにしよう、こういう流れじゃないと困りますとか、そういうことをいっさい作らなかったんですね。その人のありのままを聞ければいいかなぁ。僕はその人のことを頭に入れてますけど、だからといってこの話を聞かなければならないとか、そういう感じはなかったです。

――サッカーに興味がない人にもわかりやすく伝えようと、そういう意識は働きましたか?

それは本に限らずですけど、サッカーの仕事をするにおいて、サッカーを好きな人に伝えたいというのは当然ありますけど、そこばかりに行くと狭い話になりすぎる。たくさんの人に喜んでもらいたいんで、好きじゃなくても観てもらいたいっていう意識は、常にあります。

――平畠さんというと、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の“サッカー芸人”のイメージが強いです。そういう印象を抱かれ続けるのは、ご本人的にいかがなもんでしょう。

僕が「サッカー芸人です」と言ったことは一度もないですし、思ったこともないですね。番組のほうでカテゴライズされるのはぜんぜん構わないですし、否定する気もないですけど、自分がサッカー芸人という意識はないです。ただ、好きなサッカーの仕事をさせていただいてるので、おもしろさをどれだけ伝えられるかなぁと、そういう意識はありますけど。

――本著のなかで、特に印象に残っている取材を教えてください。

1つだけを挙げるのはむずかしいですけど、名古屋グランパスでずっと写真を撮ってる通称“おばちゃん”がいるんですね。その方に取材をお願いしたら、「だったら、お家に来てください」と。この本を作るにあたって、以前から知ってる人もたくさんいるんですけど、おばちゃんはお会いしたことがなかったんで、住所を聞いて、まったく知らない駅まで電車で行って、タクシーに乗って、女性の家にあがるという(笑)。すごい新鮮だったなぁというのがありましたね。

――「カズ」こと三浦知良さんの元チームメイトも出てきます。平畠さんから見たカズさんって、どんな人ですか?

何度もお話しさせていただいてますけど、いつでもカズさんなんです。表裏がまったくなく、どこで会ってもテレビで観ているカズさんのまま。横浜FCの広報で、元チームメイトの内田智也さんに聞いても、同じことを言うんです。内田さんは、同じチームだったときのカズさんも知ってるんですけど、それ以外の顔は見たことがないというほど、常にカズさん。で、「やっぱりすごい!」となるんです。

――カズさんには今なお、毎日のように取材依頼が来ているということを、内田さんの証言で初めて知りました。

内田さんが選手のころというのは、10本の取材が来て10本を受けているとか、そういうことは知らないわけじゃないですか。でも、スタッフ側に回って初めて知ったんですって、カズさんが今受けている取材というのは、氷山の一角だということを。それは今回、僕も初めて知ったことでしたね。

――では最後に、本著のPRで締めてください。

サッカーが好きな人にも読んでもらいたいけど、好きじゃなくても、サッカーの周りにはこんな魅力的な人がいますよとかを知ってほしい。あと、別の意味では、今はコロナの影響で旅行ができないけど、今度あの県に行ったらこんなグルメを楽しもうとか、自分が生まれた町に今はこんなクラブがあるとか、そういうことを知ってもらえる機会にもなります。サッカーの、いわゆる戦術とかシステムはまったくないので、気楽に楽しんでもらいたい。

――ちなみに、同じサッカー好きの芸人さんの反応は?

ワッキー(ペナルティ)は同期なんですけど、前作でかなり涙を流したって。「まだ出しますよ」と言ったら、喜んでくれてました。また、泣いてくれるんじゃないですかね。